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更新日:2022年3月22日



こちらの記事でも話題になった通り、FINALFANTASY XVのプロデューサーであった田畑さんが、パラリンピックを題材にしたゲームを開発するなど、新たなゲーム分野への進出に積極的に取り組んでいる。田畑さんが考えているのはもはやゲーム開発ではなく、ゲーム技術を使ったビジネスのようだ。実はこうした動きをするゲーム開発者は国内ではまだ希少で筆者はとても興味を持っている。







ゲーム技術は思った以上にゲーム閉じられている。これが私がゲーム会社にいて感じた印象である。ゲームでは高い技術力が使われており、開発者の技術力も高い。にも関わらずゲーム会社はその技術力をゲームに使うことしか考えておらず、ビジネス視点で大きな「チャンスロス」を感じていた。ゲーム開発者は基本的にゲームが大好きだ。ゲームをより良くするためにどう技術を使うか、に集中する。これがゲーム技術が急速に発展してきた所以でもあると筆者は考える。しかし、ゲーム愛・コンテンツ愛が強いからこそ、他のビジネスに技術・ノウハウを使うことを考えるクリエイターは非常に稀のように思える。


最近は任天堂などがゲーミフィケーションを用いた新たな可能性を模索しようとしている。Wii Fitやリングフィットアドベンチャー筆者も体験したが、ウェルネス貢献と人を夢中・楽しませる技術がとてもうまくかけあわされている印象を受けた。こうした動きは少しずつ見られつつも、少なくともまだ日本市場においては部分的と言わざるを得ない。


私はゲーム開発=人を夢中にさせるUX開発と言い換えられるのではないかと思っている。これが正しいとき、この「人を夢中にさせるUX開発」というのはゲーム以外の多くの用途で今後活用されうるのではないだろうかと考えている。


日本では多くの開発の現場において技術オリエンテッドが強く、筆者がシリコンバレーなどで見てきたUXオリエンテッド文化とは非常に対照的である。最近ではようやくレガシーな事業会社もUX開発の必要性に気づきつつある。こうした流れの中で今後こうしたゲームで使われていたようなUX開発に関する技術・ノウハウはあらゆる分野において広がっていくのではないかと筆者は期待する。

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東京大学大学院

学際情報学府学際情報学専攻

​博士課程

​清水 啓太郎

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